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技術トピックス

2022.04.10

2024.02.13

基礎知識

金属と樹脂の接合強度を高める接合方法の紹介

今回の記事では、金属の強度と樹脂の強度についてご説明させて頂きます。

金属の強度

強度を示す指標に、引張強さがあります。引張強さは、金属の最大の応力度を示しています。応力度とは、「単位面積当たりに生じる応力」のことであり、応力とは「外力を受けた部材内部に発生する内力」のことをいいます。

引張強さを一言で言うと、「金属を引っ張ってちぎれるまでの力」のことです。

金属の引張強さの目安は以下の通りです。

材料名引張強さ(MPa)
純鉄196
SS400450
S45C828
SCM440980
SNCM4391765
SKD61550
SUP71230
マルエージング鋼2403
SUS6311225
SUS410540
SUS430450
SUS304520
Ni335
Cu195
Al55
超超ジュラルミン573
純チタン320
データ元:MISUMI-VONA 金型材料の引張強さの目安 (URL:https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/plastic_mold_design/pl04/c0942.html)をもとに当社にて加工

※上記は目安となります。熱処理方法等により変化します。

樹脂の強度

樹脂の強度についても、金属と同様に引張強さによって示すことができます。

樹脂の引張強さの目安は以下の通りです。

材料名引張強さ(MPa)
ABS39
PC62
POM61
PPS83
PMMA97
PA6680
PP43
PBT49
PPE59
データ元:プラスチック加工.lab プラスチック樹脂 (URL:https://www.plastic-kakou.net/material/plastic.html)をもとに当社にて加工

※上記は目安となります。条件により変化します。

金属と樹脂を接合した場合の強度

金属と樹脂を接合した場合、接合強度は主に、引張接着強さと剪断接着強さで示されます。

引張接着強さ

接合した金属と樹脂について、接合面に対してそれぞれ反対方向に垂直に力がかかった場合の、接合面が破損する際の強さのことです。

剪断接着強さ

剪断接着強さとは、接合された金属と樹脂を、反対方向にずれさせた場合の剪断応力によって接合部が破損した際の強さのことです。

金属・樹脂直接接合技術 “ALTIM”の接合強度

当社の開発した金属と樹脂の直接接合技術ALTIMは、金属と樹脂の高強度接合を実現することができます。

ALTIMで接合した場合、引張剪断試験をおこなった際の接合強度を、以下に示します。

樹脂 金属 平均強度(MPa) 破壊モード 接合時点の界面温度(℃)

PPS

Tm.
281℃

SPCC 26.9 3/4材料破壊 1/4凝集破壊 240
SUS304 27.9 4/4材料破壊 1/4凝集破壊 240
A1050 21.7 3/4材料破壊 1/4凝集破壊 210
純チタン 27.8 2/4材料破壊 2/4凝集破壊 250

PBT

Tm.
224℃

SPCC 23.5 凝集破壊 230
SUS304 24.9 2/4材料破壊 2/4凝集破壊 215
A1050 22.9 3/4材料破壊 1/4凝集破壊 180
純チタン 25.1 1/4材料破壊 3/4凝集破壊 250

PA66

Tm.
265℃

SPCC 23.3 凝集破壊 240
SUS304 26.4 凝集破壊 240
A1050 18.3 凝集破壊 220
純チタン 21.0 凝集破壊 240

PP

Tm.
165℃

SPCC 15.2 凝集破壊 155
SUS304 23.9 凝集破壊 160
A1050 18.0 凝集破壊 140
純チタン 18.4 凝集破壊 160


>>「金属・樹脂直接接合技術 "ALTIM"の接合強度」について詳しくはこちら


引張剪断試験を行った際の動画がございますので、以下にてご確認ください。ALTIMの工程も併せて説明しています。

金属・樹脂の接合なら、当社に御相談ください

当社は、金属・樹脂 直接接合技術ALTIMを用いて、皆様のお悩みを解決します。

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