TECH TOPICS
技術トピックス
■注目の技術トピック
>> 銅バー(バスバー)における樹脂との接合
>> リチウムイオン電池(LIB)の構造とは
>> 自動車業界や産業用で使われる「防水コネクタ」の作り方とは
>> リチウムイオン電池(LIB)の電極部の気密性をあげるには
>> コネクタや自動車にも使われるバスバーの防水対策とは
>> インサート成形とインサート成形接合との違いとは?
2025.03.31
2025.04.21
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)にも対応する金属+樹脂の直接接合
◼︎高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)における異種材料接合
高強度・高気密・軽量化を実現するために、「金属・樹脂 直接接合ラボ」には、さまざまな分野、製品開発においてご相談をいただきます。
中には、医療などの高い衛生管理が求められる分野で、特殊な工程を前提とした金属と樹脂の接合をご相談いただくことがあります。
その一つが、「高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)」による滅菌処理です。例えば、病院で使用する医療器具や機器は、繰り返し滅菌処理が施されます。
そういった器具や機器、装置で異種材料の接合が必要となる箇所がある場合、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)にも耐え得る強度と気密性の確保が求められます。そのため、信頼性の高い接合工法が必須となってきます。
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)とは?
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)とは、高温・高圧の飽和蒸気でタンパク質を熱変性させ、細菌やウイルスなどの微生物を滅菌します。滅菌とは、物質中の全ての微生物を殺滅し除去、微生物の数を限りなくゼロに近づけることです。除菌・殺菌よりもさらに強力な作用となります。高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)は、信頼性の高い滅菌方法で、高温・高圧に耐えうるガラス製品・陶磁器製品、金属製品・ゴム製品・プラスチック製品・繊維製品など、幅広く活用できることが特徴です。培地や試薬などの液体を滅菌することも可能です。医療分野だけでなく、食品やバイオ、産業分野など幅広く使用されています。
このように、優れた高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)ですが、高温・高圧環境が金属と樹脂の接合部にストレスを与え、接合不良や漏れの原因となることがあるため、異種材料接合をする場合は、課題の一つとなっています。
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)に耐える金属と樹脂の直接接合技術
120℃を超えるほどの高温・高圧環境となるため、耐熱温度がそれ以下の樹脂(ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレンなど)は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)に向きません。 耐薬品性なども必要となるため、樹脂の選定は重要です。また、金属は高温・高圧だけでなく高湿度に耐えられる、ステンレスなどの耐食性・耐熱性・強度に優れた材料が使用されます。
衛生管理のためには、繰り返し高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)による滅菌処理がされるため、長期間の使用にも耐久性を発揮し、気密封止が可能な接合工法が必要となってきます。
「ALTIM®」による金属と樹脂の直接接合
金属・樹脂 直接接合技術「ALTIM®」は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)を行う器具・機器にも提案が可能です。金属・樹脂が高温・高圧・高湿度に耐えうる材料であれば、接合部分は高い強度と気密性を確保できる可能性がある技術です。
設計の形状や接合する材料の大きさ、厚みによって、ご提案が変わりますので、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)が必要となる器具や機器、設備で接合の課題をお持ちの場合は、ぜひご相談ください。

金属側にレーザー処理。加熱圧着で樹脂と直接接合。

金属と樹脂を封止。高強度で耐久性のある接合を実現。