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金属と樹脂をそのままピタッ!金属と樹脂の新しい接合技術「ALTIM」

2026.03.31

2026.03.31

パッキンによる防水技術

パッキンには用途に合わせて数多くの種類があり、形状やシール構造もさまざまです。
機械部品を設計する際には、最適なパッキンを選択する必要があります。
装置内部の電子回路や精密駆動部を、液体や湿気から守ることは、製品寿命を左右する最重要課題です。
その境界線を一手に引き受けている部品のひとつがパッキンです。

パッキン 防水

パッキン 防水

パッキンによる防水の基本原理

産業用機械における防水は、シール性能によって実現されます。 シールは、流体の漏れや外部からの異物侵入を防止する機構ですが、その中でも、パッキンは主にピストン、バルブ、ポンプなど回転・往復運動をする可動部に用いられる密封部品です。
一方、静止した部品同士の接合部に用いられる「ガスケット」という密封部品もあります。

パッキンの代表的な部品として、Oリングがあります。
これはゴム弾性を利用して、接触面に圧力を生じさせ、隙間を埋めることで密封します。
流体の圧力を受けることで、パッキンがさらに片面に押し付けられ、より高い密閉力を生む「自封作用」が働きます。

このような「弾性+接触圧」による密封が、パッキン防水の本質となります。
しかし、流体の圧力がより増大するとOリングがはみ出し、損傷してしまう場合があります。
これを防ぐために、補助パーツとしてバックアップリングを併用することもあります。
また、Oリングは固定用シール材であるガスケットとして利用される場合もあります。

パッキン 防水

なお、当サイトを運営する当社「睦月電機」は、主に車載の電池用ガスケットを製造しています。
スーパーエンプラなどの難材料の成形を得意としています。

>> 睦月電機の樹脂成形サンプル

パッキン防水のメリット

パッキンは回転運動・往復運動などの可動部に適用可能であり、機械の運動を阻害せずに防水できる点が大きな利点です。
それに加え、下記のような特徴があります。

①シンプルかつ高い信頼性

パッキンは構造が非常に単純でありながら、高い密封性を発揮します。
特にOリングは、歴史も長い代表的な技術であり、信頼性の高さが証明されています。

②振動・衝撃の吸収

多くのパッキンは弾性体(ゴムなど)で作られているため、接合部の微細な振動を吸収し、異音の発生やネジの緩みを防ぐ副次的効果があります。

③公差の許容

微細な凹凸や歪みがあっても、パッキンが柔軟に変形して隙間を埋めることで、高度な平滑研磨をせずとも防水を実現できます。

④幅広い用途への適応性

パッキンは、家電や水周りのバルブはもちろん、自動車、半導体装置、産業用ロボットや工作機械、分析装置や医療機器、油圧・空圧機器、通信設備など、多様な分野で使用されています。
材質や形状を変えることで、温度・圧力・流体条件に対応でき、適応性が高いことが特徴です。

⑤メンテナンス性の確保

多くのパッキンは消耗部品として設計されており、交換が容易でコストが低いという点で設備保全に優れています。
内部部品の交換や定期点検が必須の産業機器において、メンテナンス性は大きな利点です。

パッキン防水の課題

一方で、パッキンの宿命とも言える課題もあります。

①経年劣化

圧縮された状態が長く続くと、ゴムが元の形に戻ろうとする力(反発弾性)を失い、液漏れの引き金となることがあります。
また、高速回転や頻繁な往復運動により、パッキンと相手材に発生した熱がパッキン素材を焼き付かせ、弾性を失わせたり(硬化)、摩耗や化学劣化により、性能低下につながることがあります。

②条件依存性が高い

パッキン性能は、温度・圧力・流体(油、水、薬品)などに依存します。
例えば、切削油や洗浄剤にさらされる環境では、一般的な防水ゴムは膨潤・硬化してしまうことがあります。

③高圧・高振動環境での限界

圧力が過度に高い場合や振動の多い環境において、摩擦増大が課題となります。

④組付け・設計依存

防水性能は単なる部品性能ではなく、溝設計・締結力・面圧分布などの設計品質に大きく左右されます。
締付け構造の変化が原因で微小な隙間から漏水が発生する可能性もあります。

パッキン防水技術の進化

パッキンの防水技術は、産業の信頼性を根底から支える「防波堤」であり、機器のスムーズな動きと液体からの守りを両立させる高度なエンジニアリングです。
産業分野において自動化が進み、様々な分野で新しい技術が登場するのに合わせて、より長寿命で、より過酷な環境に耐えうるシール技術への需要は高まり続けていくでしょう。

強度・シール性能を向上し、耐熱性、耐薬品性にも優れるPTFE(フッ素樹脂:ポリテトラフルオロエチレン)を使ったパッキンや、炭素繊維や特殊な潤滑油を含浸させた新素材も登場しています。
また、リサイクル性のある素材など環境に配慮した製品も増えています。
材料だけでなく加工技術も進歩し、パッキンは単なる「ゴム部品」から、より高度な機能部材へ進化していると言えるでしょう。

金属と樹脂の直接接合「インサート成形接合」と「加熱圧着直接接合」

当社は、電池用ガスケットを製造しています。
この精密なプラスチック部品を、金型設計・製造から射出成型まで一貫生産しています。
また、インサート成形の実績もあり、独自のレーザーによる表面処理と組み合わせて防水性を高める「インサート成形接合」を提案しています。
さらに、金属と樹脂をダイレクトに平面接合する「加熱圧着直接接合 ALTIMアルティム®」を提案しています。

パッキンでも解決できないような用途がありましたら、お気軽にご相談ください。
当社の直接接合技術の応用可否について、ご回答させていただきます。

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