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金属と樹脂をそのままピタッ!金属と樹脂の新しい接合技術「ALTIM」

2021.11.10

2026.02.18

専門情報

LCA(ライフサイクルアセスメント)と直接接合

LCAとは

LCA(ライフサイクルアセスメント:Life Cycle Assessment)とは、ある製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取→原料生産→製品生産→流通・消費→廃棄・リサイクル)、または、その特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法です。

LCA については、ISO(国際標準化機構)による環境マネジメントの国際規格の中で規格があり、わが国でも LCA を取り入れている企業が増えています。

LCA規制の影響

わが国の重要産業である自動車業界では LCA 規制が自動車の走行だけではなく、製造・販売やリサイクル、そのエネルギー源まで、包括的に CO2 を捉える枠組であるため、EV戦略の評価軸にも影響を与える可能性があります。

具体的には、走行時の CO2 排出量だけを見る現行の環境評価では、 EV の CO2 排出量はゼロで一見理想的ですが、LCA を適用すると、EV は電池製造時の CO2 排出量が大きく、車両製造時の CO2 排出量は ICE(ガソリン車)の2 倍にのぼり、 EV の優位性は小さくなります。

特に、現在の EV 評価の一つである航続距離を延ばすために、大容量の電池を搭載すると、自動車の寿命走行距離が短い場合(10 万キロ程度)、ICE の方が LCA 評価は高くなる可能性があります。
また、電池製造時に使用する鉱物を考えると、500 ㎏のEV用バッテリーを作るには250トンの鉱物を必要としますが、これを分離運搬するため、大量の化石燃料使用に伴うCO2 排出量も加算する必要があります。

以前、ヨーロッパの自動車メーカーはディーゼル問題で優位性を失いました。
今は、それを挽回しようとEV に傾倒している一方で、 CO2 削減の主導権も握ろうとしています。

このように、リチウムイオン電池製造時に大量排出される CO2 は、自己矛盾を含んでいますが、グレーゾーン化してお茶を濁している状況です。
しかし、この件は早々に明確になり、規制され、新たな問題になる可能性があります。

このような状況の中で、今後EVが増えるのか、ICE が生き残るのかは不明確ですが、確実に言えることは、製造時および使用時 のCO2 排出量削減のため、各自動車メーカーは、CO2 排出量が低くなるように、リサイクル可能かつ軽量で高強度な材料や加工工程を新規に考えることが必須となります。

新たな工法の必要性

これに伴い、新たな工法を見出す必要性が出てきています。
例えば今まで、軽量のための最も有効な素材として CFRP が脚光を浴びていました。
しかし、CFRP は製造時の CO2 排出量は約 15kg(炭素繊維を50質量%含むCFRPで1kg当たりの排出量)です。
鉄鋼の約 2.3kg と比べてかなり大きく、アルミニウム合金の約 11kg と比べても大きい排出量となります。
強度維持したリサイクルは困難なため 、LCA 評価の低い材料となってしまい、大量に使用するには課題となります。

そこで、自動車全体に CFRP を使うのではなく、適材適所に複合化し使用することによって、LCA 評価を悪化せずに軽量化することが必要であると考えられます。

LCA評価を考慮した素材複合化の課題

適材適所に素材を複合化して、LCA 評価を悪化させず軽量化する場合に、重要と思われる課題を以下に示します。

1)複合時のエネルギー使用量の最小化
2)接着剤やリベットなどの副資材使用量の最少化
3)複合部品を使用寿命後、分別リサイクル可能

LCA評価の課題に対する当社接合技術の優位性

当サイトを運営する睦月電機は、金属部品の軽量化、樹脂部品の強度向上を目的として、金属と樹脂との複合化に対して、加熱圧着直接接合「ALTIM®」を研究開発しています。

この直接接合技術は、金属部品と樹脂部品を作成してから接合する工法です。
金属の表面処理としてレーザー照射による凹凸形成、接合工程には誘導加熱(IH加熱)などを用いた加熱圧着により、直接接合します。
そのメカニズムは、主に「アンカー効果」と考えています。

「ALTIM®」が、 LCA 評価に関わる課題に対して、優位性を持った加工方法と考えられる点を以下に示します。

1)エネルギー使用量
複合時のエネルギー使用量は、表面処理をレーザー、接合を誘導加熱とエアシリンダーによる電気エネルギーだけなので算出が容易です(使用エネルギー量は接合面積や接合材料によって異なります)。
化学薬品などを使う工法では廃液処分時の CO2 排出量の算出が困難です。

2)副資材不使用
「ALTIM®」は、接着剤やリベット、化学薬品などの副資材を一切使用しないため、これを製造する際の CO2 排出量をカウントする必要がなく、 LCA 評価には有利になります。

3)リサイクル性
複合品の分別リサイクルに関しては、接合がアンカーで行われており理論的に複合品を分離可能であることから、今後、重要なテーマとして取り組む予定です。

【参考:LCAとは】

LCA は自動車の生産/使用/リサイクルといったライフサイクル全体で環境に与える負荷を総合的に評価する手法です。自動車に関しては、大きく以下4つのポイントに分けられます。

A. Well to Tank 燃料を生産から自動車の燃料タンクに入れるまでに排出した CO2 量。
EV であれば発電、電池貯蓄時の CO2 の合計排出量。
B. Vehicle Production 車両生産時の CO2 排出量
C. Tank to Wheel 車両走行時の CO2 排出量
D. End of life リサイクル時の CO2 排出量

※出典:ゴールドマンサックス
「CO2 規制の新局面: EV は「走り方」だけでなく「作り方」も問われる時代に」

レーザー処理と加熱圧着による直接接合技術「ALTIM®」

当社の加熱圧着直接接合「ALTIMアルティム®」は、独自のレーザー処理によるアンカー効果、濡れ性の向上で強固な接合を実現します。

【特徴】
◎高強度で耐久性に優れる。
◎防水性・気密性を高める密封構造を実現。
◎接着剤レスでVOCゼロを実現。
◎接着剤の選定工程・硬化時間不要で生産性を向上。
◎接合時の温度・加圧力の最適条件を数値化。
◎締結部材も不要で部品点数を削減。


金属と樹脂との複合化において、課題がございましたら、「ALTIMアルティム®」を選択肢のひとつとして、ぜひご相談ください。

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