TECH TOPICS
技術トピックス
■注目の技術トピックス
» 水冷式ヒートシンクを使った熱対策
» オートクレーブ滅菌と異種材料接合
» ペルチェ素子を使った水冷式の冷却に必要なこと
» リチウムイオン電池(LIB)の構造とは
» 熱交換における接合技術の役割
» バスバーを端子台に取り付ける目的とは
» 放熱と絶縁を両立するヒートシンクと樹脂との一体化
» 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)にも対応する金属+樹脂の直接接合
2025.11.30
2025.11.30
熱対策と異種材料接合
信頼性を左右する“熱”のマネジメント
近年、産業機器や家電の高機能化・高性能化が急速に進んでいます。AI処理を行う高性能プロセッサ、インバータ制御の高度化、パワーエレクトロニクスの大電流化など、機器内部で扱う情報量・エネルギー量は年々増加しています。
その一方で、筐体の小型化、静音化、省エネ化も求められるため、内部に発生する熱の処理はかつてないほど重要な課題となっています。
電子機器、自動車部品、FA機器、インフラ設備、家電など、あらゆる分野で「いかに熱を管理するか」が、製品寿命・性能・品質を左右します。
この熱対策においても、金属・樹脂などの異なる材料を安定して接合する技術が、とても重要なテーマになっています。
熱対策と異種材料接合は密接に関係しており、熱の扱い方が接合部の信頼性を大きく左右します。
なぜ「熱対策」と「異種材料接合」はセットで考えるべきなのか。
電子部品、自動車部品、産業機器などに使われる部品で
・金属(銅・アルミ・ステンレスなど)
・樹脂(エンプラ・熱可塑性樹脂など)
・セラミックス
といった、異なる熱膨張率をもつ材料を複合化する場合があります。
しかし、温度変化が大きい使用環境において、熱膨張率の差が大きいと、接合部にストレスがかかります。これにより、剥がれや亀裂、反りにつながり、気密性劣化・水侵入などの不具合に直結します。
そのため、発熱量の多い機器は、熱交換器などにより冷却したり、温度を一定に保つ熱対策が施されます。
それに伴い、異種材料接合も、このような熱対策に対応した強固な接合技術が必要となってきます。
熱対策に対応する接合技術
従来の冷却方式は、ヒートシンク+ファンによる「空冷式」が主流です。
しかし、発生する熱密度の増加により、空冷では十分な熱処理が追いつかないケースが増えてきています。
高集積化ICやパワーデバイスでは扱う電力が増えているため、熱密度が上昇しています。
熱密度が高くなると、ヒートシンクでの放熱だけでは表面温度が下がらず、ファンを大型化・高速化しても限界があります。
また、ファンの大型化や高速化は、騒音や消費電力の増加を招き、小型化・省スペース化に対応するためにも、採用しづらいケースがあります。
このことから、空冷の冷却能力では、求める性能向上を満たせない場合も出てきます。
こうした背景から、今では「水冷式」が、幅広い機器で採用されるようになってきました。
水冷システムにおいても、冷却液を循環させるための冷却プレート、流路、接続ポート、筐体部品などの部材が、異種材料の複合構造で構成されることがあります。
水冷式の場合は、気密性・防水性・耐久性が特に重要ですが、異種材料は熱膨張率や弾性、吸水率などの特性が異なるため、接合技術と設計の工夫が、冷却性能・信頼性に直結します。
「金属と樹脂の直接接合ラボ」を運営する睦月電機では、異種材料の中でも金属と樹脂の直接接合技術を研究開発しています。
空冷式はもちろん、水冷式の熱対策にも対応する接合技術として、以下の特徴があります。
◎金属と樹脂の熱膨張差に対応する強固な接合
金属と樹脂の最大の違いは線膨張係数です。
冷媒温度が大きく変動する水冷システムでは、膨張差による剥離・割れ・応力集中が起きやすくなります。
当社の接合技術は、アンカー効果により熱膨張差にも対応する高い強度を確保します。
◎水圧に耐える金属と樹脂の密着性
水冷システムでは、ポンプ圧により常時0.1~0.3MPa程度の水圧が加わります。
金属—樹脂界面にわずかな隙間があると、そこから滲み・漏れが発生します。
当社の接合技術は、水漏れのない高い気密性を確保します。
◎メッキ材と樹脂との接合
水冷式では、水質や防錆剤の影響で金属の腐食が進みやすくなります。
当社の接合技術は、冷却液に適合したアルミやステンレスはもちろんのこと、アルマイト・メッキなどの表面処理をした金属と樹脂との接合も可能です。
◎長期的な熱サイクル・振動に対応する高耐久接合
水冷システムは、繰り返しの熱サイクルが発生します。
また、ポンプなどの振動により、接合部の疲労破壊を引き起こす可能性もあります。
当社の接合技術は、ヘリウムリークによる封止性能の評価において、-40℃~130℃ /3,000cycleのヒートショック試験後でも、高い密封構造を保持します。
◎インサート成形接合にも応用
一般的なインサート成形で、金属と樹脂を一体化したとしても、それだけでは気密性・防水性を確保できません。
当社の接合技術は、独自のレーザー技術を応用し、冷却ユニットなどインサート成形での複合化においても、高気密・防水性を確保します。

当社の接合技術による水冷用接合サンプル

当社の接合技術による水冷用接合サンプル
レーザーと加熱圧着による当社の直接接合技術

水冷式の熱対策に対応する加熱圧着接合技術「ALTIM®」
信頼性を左右する“熱”のマネジメントにおいて、水冷システムが広がっている今、接合工法の選定も重要となります。
水冷システムは高効率な冷却が可能ですが、
・熱膨張差への対応
・水圧・漏れを想定したシール構造の最適化
・腐食対策
・熱サイクル・振動への長期信頼性
・インサート成形での防水対策
など、異種材料が複雑に組み合わさる場合は、接合工法が性能と寿命を大きく左右します。
睦月電機が開発した「ALTIM®」は、接着剤レスで金属と樹脂をそのままピタッと接合する技術です。
金属と樹脂を接合した熱対策部品にも、この接合技術が役立ちます。
独自のレーザー技術で金属プレートの表面を粗面化。そこに樹脂部品を加熱圧着することで、高気密な接合を実現。
強度・気密性を向上することが可能です。
空冷はもちろんのこと、水冷システムによる熱対策を検討される場合には、ぜひご相談ください。

当社の接合技術による水冷用接合サンプル

当社の接合技術による水冷用接合サンプル

