TECH TOPICS
技術トピックス
■注目の技術トピック
>> 放熱と絶縁を両立するヒートシンクと樹脂との一体化
>> 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)にも対応する金属+樹脂の直接接合
>> 放熱性能に優れた電池用「冷却ユニット」
>> 銅バー(バスバー)における樹脂との接合
>> リチウムイオン電池(LIB)の構造とは
>> 自動車業界や産業用で使われる「防水コネクタ」の作り方とは
>> リチウムイオン電池(LIB)の電極部の気密性をあげるには
>> コネクタや自動車にも使われるバスバーの防水対策とは
2025.08.18
2025.08.19
バスバーを端子台に取り付ける目的とは
電線と電気部品や装置、電線とプリント基板を接続し、電気を分配する端子台。
大容量の高圧電流を扱う場合の分岐点として、樹脂の端子台を設けることにより、故障や事故のリスクを減らす目的もあります。
ねじ式端子台、スクリューレス端子台といった種類があり、電線と各種装置との中継用、プリント基板用など用途によって、様々な端子台があります。
『金属・樹脂 直接接合ラボ』を運営する睦月電機は、精密プラスチック成形を得意としており、インサート成形による端子台の製造も行っています。
また、バスバーをダイレクトに接合した端子台の製作も可能です。
バスバーを端子台に取り付ける目的とは
バスバーとは、大容量の電流を効率的に流す金属バーです。
バスバーの材質として、銅やアルミニウムが使われますが、主に銅が使用され「銅バー」とも呼ばれています。銅は導電性に優れ、酸化しにくく腐食に強いことも特徴です。そのため、高性能が求められる電力設備や耐久性を重視する場合に適しています。
一方、アルミニウムは軽量で、銅と比べて比較的安価であることが大きな特徴です。重量や安定共有を重視する場合に適していると言えるでしょう。
このようなバスバーを端子台に取り付けることで、大電流を安定して分配することが可能です。
①電力の分配を安定化
端子台に取り付けることで、そこから複数の機器や回路へ電源を安定的かつ効率的に分配できます。
②配線の簡素化・メンテナンス性
端子台に取り付けることで、規則正しい配線構造になります。また、バスバーが端子台に取り付けられていれば、各回路の電源系統が視覚的にわかりやすくなり、点検やトラブル時の対応が容易になります。
③安全性の向上
バスバーを端子台に強固に接合することで、絶縁処理がしやすく感電リスクが減少します。
自動車とバスバー端子台
昨今では、自動車の電動化が進化し、大電流が必要な部品が増加・複雑化しています。そのため、従来の電線では対応が難しくなってきました。自動車業界でも、シンプルで効率的に大容量を配電できる信頼性の高いバスバーが求められています。
ただし、自動車に求められるバスバーは、その振動に耐え、バスバー同士が接触しない構造が必要となります。バスバーは電気システムの中核であるため、過酷な環境下においても安定的に配電できることが、自動車の安全性に直結します。
その安定性・安全性を担保するためにも、バスバーを端子台に強固に取り付ける方法が重要になってきます。
このことは、自動車用バスバーに限らず、金属であるバスバーと樹脂部品である端子台の接合方法が、バスバーの性能にも影響すると言えるでしょう。
金属と樹脂の直接接合技術「ALTIM®」による接合
下記は、ALTIM®接合技術によって、銅バーとPPSの端子台を接合した事例です。
銅バーの表面を独自のレーザー技術で粗面化、凹凸形状を形成します。端子台に乗せ、銅バー側から加熱圧着。その熱で端子台の樹脂表面がわずかに溶けだし、銅バー表面の凹凸形状に隙間なく入り込みます。
このアンカー効果によって、強固な接合が可能となります。
その接合強度は25MPa以上(金属と樹脂の組み合わせによる)。引張試験の際、樹脂母材の材料破壊が起こるほどの強度となります。
3ステップの接合工程
独自のレーザー技術により、アンカー効果による高い接合界面を作り出すことが可能です。

バスバー端子台。これは金属と樹脂という異種材料を複合化した部品です。この複合化技術が、バスバーにとっても重要な要素となります。
今や電気自動車だけでなく、AIやデジタル化の進化によって、大容量の電気が必要となる時代です。バスバーの用途はさらに広がっていくでしょう。同時に、バスバーと端子台の接合ニーズも高まるかと考えています。
金属と樹脂の接着・接合でお悩みをお持ちのお客様は、お気軽にご相談ください。
超高気密・超高強度な金属と樹脂の接合部品は、当社にご相談ください。
「金属 樹脂 直接接合ラボ」では、新しい接合技術「ALTIM®」を用いて、金属と樹脂の接着・接合のおける課題を解決します。
ALTIM®は独自のレーザー技術がポイントです。
独自のレーザー条件で金属表面に照射。樹脂との接合に適した凹凸形状を形成します。
凹凸形状は金属の種類ごとに異なります。
睦月電機では、国内外でこのレーザー技術の特許を取得。
接合する金属と樹脂部品を合わせ、金属側を加熱。その熱で樹脂表面だけを溶かして加圧することで、金属表面の凹凸形状に樹脂が染み渡るように流れ込みます。加圧したまま冷却すると、高強度、高気密な接合部品ができあがります。
強度や耐久性、防水や気密性でお悩みをお持ちのお客様は、お気軽にご相談ください。
また、組み合わせたい金属と樹脂がございましたら、ぜひお問い合わせください。試験片作成も対応しております。