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「ネプコン ジャパン」に出展!2026.1.21~23の3日間

2025.09.25

2025.10.30

ペルチェ素子を使った水冷式の冷却に必要なこと

ペルチェ素子とは、直流電流を流すことで、片面が冷えて、反対面が熱くなる特殊な電子部品です。
異なる性質を持つ2種類の半導体(N型・P型)が交互に組み合わさり、金属板(電極)に挟み込まれています。これに直流電流を流すと、ペルチェ素子の熱が移動し、吸熱と放熱が発生します。冷却面は吸熱により冷え、発熱面は放熱により温かくなります。
また、電流を流す方向を変えることで、冷却面・発熱面を入れ替えることができます。

 ペルチェ素子の仕組み

これは「ペルチェ効果」という物理現象に基づいています。
このペルチェ効果は、1834年フランスの物理学者ジャン=シャルル・ペルチェによって発見されました。

ペルチェ素子は、小型冷蔵庫から、コンピューターのCPUクーラーやスマートフォンクーラー、ヒートシンクなどの熱交換器、ネッククーラーや冷却ベストといったウェアラブルエアコンといった、冷却に必要な製品に活用されています。逆に温熱ベストなど温めが必要な場合にも利用されます。

軽量で小規模・小型の機器に利用でき、安全性が高いというメリットがあるため、産業用機器から民生用まで幅広く活用されています。

 最新のウェアラブルエアコンに『ALTIM®』が採用されました!

ペルチェ素子による冷却の仕組み

ペルチェ素子の冷却面に電流が流れると、その面から電子が熱エネルギーを吸収して移動します(吸熱)。
結果として、その表面の熱エネルギーが減り、冷却されます。

①電流が流れ電子が移動する
②冷却面では、電子が周囲の熱エネルギーを吸収して運ぶ(吸熱)
③それによって、周りは熱を奪われの温度が下がる(=冷却)


一方、反対面(発熱面)に移動した電子は、運んできた熱エネルギーを放出(=放熱)し、その周りが温められる仕組みです。

ペルチェ素子による水冷式冷却の用途

ペルチェ素子による冷却には、空冷式と水冷式があります。
多くの場合は空冷式ですが、高性能・高効率を求める製品に水冷式が採用されます。

水冷式は、その名のとおり水(冷却水)を使って冷やす方法です。ペルチェ素子で冷却した水を循環させることで、より広範囲かつ効率的に冷却することが可能です。
水は空気と比較して、熱伝導率・放熱効率が高く、環境温度に左右されにくいため、冷却性能が安定します。

そのため、高性能PCのCPUクーラーや半導体、電子機器、医療機器、車載機器など、高い冷却性能を求められる機器や、労働環境における熱中症対策など、長時間の冷却が必要なウェアラブルエアコンなどにも活用されています。

ペルチェ素子を使った水冷式冷却に必要なこと

水冷式を採用する場合、最も大切なのが「防水設計」です。
冷却対象の多くは電子機器や精密装置です。水漏れが発生すると、基板のショートや故障に直結します。また、ウェアラブルエアコンのように身に着ける場合も、水が漏れてしまっては使うことができません。

水が循環する冷却プレートなどの内部から漏れないようにするためには、部品どうしの接合部に高い気密性をもたせる必要があります。
さらに、初期には問題がなくても、経年劣化によって接合部やシーリング部から漏水が起こる可能性があります。
適切な防水処理を施すことで長期間安定して使用することができます。

防水のための設計ポイント

◎冷却プレート内部のシール構造
Oリングやシリコンガスケットを用いて水路を密閉。

◎耐腐食性の素材選定
アルミや銅のほか、腐食防止コーティングを施すことで耐久性を向上。

◎外装カバーや樹脂封止
ペルチェ素子周辺に防水カバーを設ける、あるいは樹脂でモールドする。

ペルチェ素子を使った水冷式の冷却は、高効率で安定した冷却が可能ですが、その性能を発揮させるには「防水設計」が欠かせません。シーリング材や防水構造を適切に設計し、水漏れによるリスクを最小限に抑えることで、安全かつ長期的に利用できる冷却システムとなります。

金属と樹脂の直接接合技術「ALTIM®」による防水設計

ALTIMアルティム®」は、接着剤レスで金属部品と樹脂部品をそのままピタッと接合する技術です。
金属プレートと樹脂カバーなどを接合した部品に水を循環させる場合などに、この接合技術が役立ちます。

独自のレーザー技術で金属プレートの表面を粗面化。そこに樹脂部品を加熱圧着することで、高気密な接合を実現。強度・防水性とも向上することが可能です。

防水設計

防水設計

最新のウェアラブルエアコンに「ALTIM®」が採用!

富士通ゼネラル社が開発した「ウェアラブルエアコン」の次世代モデルに、「ALTIMアルティム®」が採用されました。

本製品は、高品質のペルチェ素子を利用した業務用ネッククーラーです。
頸動脈を狙って、効率的に首の3箇所を冷却し、過酷な猛暑下で働く現場作業者をより強力にサポート。
暑さ対策に効果的な首の頸動脈をダイレクトに狙い、体を効率的に冷却*1するウェアラブル装置です。

※1 寒い時には温暖モードで使用可能。

最新のウェアラブルエアコンに「ALTIM®」が採用!

最新のウェアラブルエアコンに「ALTIM®」が採用!

ペルチェ素子の特性を最大限に活かす水冷式を採用し、市販のネッククーラー(空冷式)に比べ、パワフルかつスピーディーに冷却効果を体感できる本格派として開発されました。 ペルチェ素子で冷却するとともに、発熱面の排熱にも水冷式の技術が生かされています。

この水冷式ネッククーラーのヒートシンク部に、「ALTIMアルティム®」接合技術が採用されました。
水を循環させる部品に使われる金属プレートと樹脂部品を強固に接合。
ペルチェ素子を搭載し安定的な水冷システムを実現する一旦を「ALTIMアルティム®」が担っています。

最新のウェアラブルエアコンに「ALTIM®」が採用!

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