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金属と樹脂をそのままピタッ!金属と樹脂の新しい接合技術「ALTIM」

2026.10.15

2026.10.15

専門情報

円筒形・角形リチウムイオン電池の技術トレンド

リチウムイオン電池の性能を左右する要素の一つが、電池セルの「形状」です。
代表的な形状には、円筒形、角形、ラミネート形(パウチ形)があります。
それぞれ異なる構造的・物理的特性を持っており、用途やコスト、求められる性能に応じて使い分けられています。

当社、睦月電機株式会社は、精密プラスチック成形を主な事業としており、円筒形・角形リチウムイオン電池のガスケットや絶縁板を数多く製造しています。
車載用リチウムイオン電池向けが多く、円筒形ではフッ素系樹脂、角形ではフッ素系樹脂に加えてPPSを使用することもあります。

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今回は、円筒形と角形の違いを中心に、それぞれのメリット・デメリット、これまでの進化と今後の技術潮流について解説します。

円筒形・角形リチウムイオン電池の技術トレンド

円筒形・角形リチウムイオン電池の技術トレンド

円筒形と角形の基本構造と違い

リチウムイオン電池のセル形状は、主に正極・セパレーター・負極などの電極部材を、どのように外装に収めるかによって分類されます。

◎円筒形リチウムイオン電池

円筒状の外装缶(金属ケース)に、正極・セパレーター・負極などを巻き取った電極体を封入した構造です。
単3形・単4形電池に似た形状で、電気自動車向けには直径や高さを大きくしたセルも使用されています。
ノートパソコンなどの小型機器向けに普及し、その後、電気自動車のほか、医療機器や人工衛星などにも用途が広がっています。

◎角形リチウムイオン電池

四角い外装缶(金属ケース)に電極体を収めた構造です。
直方体に近い形状のため、複数のセルを並べたときに隙間を少なくでき、限られたスペースを有効活用できます。
車載用リチウムイオン電池では、角形セルが広く採用されており、現在、主要な形状の一つとなっています。

なお、角形リチウムイオン電池の内部構造には、主に「積層型」と「巻回型(捲回型)」があります。
積層型は、正極・セパレーター・負極などをシート状に重ねて積層する構造です。
巻回型は、正極と負極のシートをセパレーターとともに巻き取り、角形ケースに収まるよう扁平な形状に成形した構造です。
積層型と巻回型には、それぞれ構造上の特徴があります。
性能や生産性は、電極設計や製造方法などによって異なるため、どちらが優れているかは一概にはいえません。

円筒形リチウムイオン電池の特徴

①コストパフォーマンスと生産性

円筒形リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池の初期から採用されてきた形状です。
形状が比較的単純で歴史が長く、標準的なサイズのセルが広く普及しています。
製造工程を自動化しやすく、品質を安定させながら大量生産できることが強みです。
電極を巻き取る工程や金属ケースへの封入など、量産に適した製造技術が蓄積されています。

②高い機械的強度

円筒形リチウムイオン電池は、金属ケースによって内部の電極体を保護する構造です。
外部からの力に対して形状を維持しやすく、取り扱いや組み立ての面でも利点があります。

③高い構造強度と耐圧性

円筒形は、内圧による応力がケースの周方向に分散されやすく、構造的な強度を確保しやすい形状です。
ただし、内部でガスが発生した際の内圧上昇やケースの変形は、ケースの材質・厚さや安全弁などの設計にも左右されます。

④サイズ展開と配置の柔軟性

さまざまなサイズのセルがあり、用途に応じてセルを組み合わせ、電池パックを構成できます。
また、従来の小型セルに加え、近年は1本あたりの容量を高めた大型円筒形セルも開発されています。
ただし、円筒形は丸いため、並べ方によってはセル間に隙間(デッドスペース)が生じます。

その結果、電池パック内のスペースを十分に活用できず、パック全体の体積エネルギー密度が低下する場合があります。
また、小型の円筒形セルを多数使用する場合、セル間の電気的な接続箇所が増え、電圧や温度の監視、制御なども重要となります。
一方、セル間の隙間を空気の流路として利用することで、空冷による放熱を促進できる場合があります。
大型化すると熱管理も重要となるため、冷却性能とエネルギー密度のバランスを考慮した総合的な設計が求められます。

円筒形・角形リチウムイオン電池の技術トレンド

円筒形・角形リチウムイオン電池の技術トレンド

角形リチウムイオン電池の特徴

①高い空間効率と体積エネルギー密度

角形リチウムイオン電池には、円筒形の一般的な小型セルよりも大きな容量を持つ製品が多く、車載用や産業用などの大規模なシステムでは、必要なセル数を減らせる場合があります。
これにより、電池パック全体の部品点数や配線を削減し、構造を簡素化できる可能性があります。
また、直方体に近い形状のため、限られたスペースでも複数のセルを効率的に配置できます。
特に、電気自動車の大型バッテリーやエネルギー貯蔵システムなど、搭載スペースの有効活用が求められる用途に適しています。

②接続箇所の低減

同じエネルギー量を得るために必要なセル数を、円筒形より減らせる場合があります。
そのため、セル間の電気的な接続箇所を少なくでき、接続部品や配線の削減、製造工程の簡素化につながる可能性があります。

③放熱性を考慮した構造を設計しやすい

平面部分が広いため、冷却プレートなどと接触させやすく、効率的な熱の移動や温度の均一化を図れる場合があります。
電池パック全体の冷却構造を設計しやすい点も利点です。
ただし、セルが大型化すると、セル内部と表面の温度差や、充放電に伴う膨張への対応も重要となります。
エネルギー密度や寿命、安全性は、形状だけで決まるものではなく、正極・負極材料、電極の厚さ、電解液、製造品質、充放電条件などによっても大きく変わります。
そのため、用途に応じて電池システム全体の性能を評価することが重要です。

円筒形・角形リチウムイオン電池の技術トレンド

円筒形・角形リチウムイオン電池の技術トレンド

リチウムイオン電池の進化

リチウムイオン電池の進化は、形状だけでなく、材料、製造技術、電池パックの設計が相互に影響しながら進んできました。

1991年には、日本のメーカーによってリチウムイオン電池の商用化が始まりました。
そこから長年にわたって量産技術が蓄積され、ノートパソコンや電動工具などの小型機器から、電気自動車へと用途が広がりました。
電気自動車では、多数の円筒形セルを組み合わせて、必要な電圧と容量を確保する方式が普及しました。その後、セルの大型化も進んでいます。
円筒形の強みである生産性の高さを生かしながら、1本あたりの容量を高めることで、セル数や接続部品の削減、セル間の隙間によるデッドスペースの低減などが図られています。

角形リチウムイオン電池も、電気自動車や蓄電システムの普及に伴い、存在感を高めてきました。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2025年には角形セルが世界のEV用電池セルの60%超を占めており、ほとんどの定置型蓄電池に採用されています。

円筒形・角形リチウムイオン電池の技術トレンド

また近年は、リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)の普及が進んでいます。
LFP電池は、一般にニッケル系の正極材料を使用する電池に比べて材料コストを抑えやすく、安定性や長寿命の面でも利点があります。
一方、同じ重さや体積では、ニッケル系電池より蓄えられるエネルギーが少ない傾向があります。
こうした課題に対し、正極材料の改良や電極構造の最適化、電池パックの構造改善などによって、エネルギー密度や急速充電性能の向上に向けた技術開発が進んでいます。

もちろん、LFP電池だけが進化しているわけではなく、三元系リチウムイオン電池(※1)も改良が続いており、用途に応じて使い分けられています。

※1 正極材料にニッケル・マンガン・コバルト(NMC)またはニッケル・コバルト・アルミニウム(NCA)を組み合わせた電池。

さらに、リチウムイオン電池の進化を支える技術として注目されているのが、セル・トゥ・パック(CTP:Cell-to-Pack)構造です。
従来は、複数のセルをモジュールにまとめ、それらを電池パックに組み込む構造が一般的でした。
CTPでは中間のモジュールを省略し、セルを電池パックへ直接組み込むことで、部品点数や重量を減らし、搭載効率を高めます。
ただし、構造が一体化するほど、故障時の修理やセルの交換、リサイクル時の分解が難しくなる可能性もあります。

これからのリチウムイオン電池

リチウムイオン電池市場は、電気自動車やエネルギー貯蔵向けを中心に需要が拡大しています。
今後も、これらの用途を中心に市場の成長が見込まれています。
今後の技術開発では、エネルギー密度の向上、安全性・信頼性の向上、急速充電への対応、量産工程の自動化などが重要なテーマとなります。
また、軽量化、長寿命化、コスト効率の向上も、需要拡大を支える要因です。

世界的な競争の激化は、技術革新と生産効率の向上を促し、市場の成長を後押しすると考えられます。
一方で、原材料価格の変動、安全性の確保、熱管理、製造コスト、供給網の不安定さなどが課題となっています。

今後も、技術革新や調達先の多元化、リサイクル性や安全性の向上などを通じて、リチウムイオン電池はさらなる進化を遂げていくことが期待されます。

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