TECH TOPICS
技術トピックス
■注目の技術トピック
>> 放熱と絶縁を両立するヒートシンクと樹脂との一体化
>> 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)にも対応する金属+樹脂の直接接合
>> 放熱性能に優れた電池用「冷却ユニット」
>> 銅バー(バスバー)における樹脂との接合
>> リチウムイオン電池(LIB)の構造とは
>> 自動車業界や産業用で使われる「防水コネクタ」の作り方とは
>> リチウムイオン電池(LIB)の電極部の気密性をあげるには
>> コネクタや自動車にも使われるバスバーの防水対策とは
2025.08.31
2025.08.31
熱交換における接合技術の役割
■熱交換とは
熱交換とは、温度の高い物体から低い物体へ効率的に熱を移動させる現象や、そのための技術を指します。
熱は温度の高い方から低い方へ移動する性質があり、この性質を利用して液体や気体を冷やしたり、温めたりする装置や仕組みが熱交換器や熱交換システムとなります。
熱交換には、大きく分けて空冷式と水冷式があり、それぞれ必要な部品や求められる性能が変わってきます。
熱交換の仕組みは、自動車や半導体・電子部品、医療機器、発電所などの産業分野から、冷蔵庫、エアコン、パソコン・スマートフォン、ウェアラブルデバイスなどの身近な家電まで、幅広い分野で取り入れられています。
「熱が発生して冷やす必要があるもの」や「温度を一定に保つ必要があるもの」には、必ず熱交換を行う仕組みが必要になります。
熱交換に関連する部品
◎熱交換器
熱を「ある媒体から別の媒体へ移す」装置の総称。以下の各機器も広義には熱交換器の一種です。
◎ヒートシンク
金属塊や放熱フィンで構成されています。電子部品の熱を吸収して効率的に空気へ放出する役割があります。熱伝導、熱対流、熱放射の原理に基づいて放熱しています。ヒートシンクは「放熱板」とも呼ばれます。
>> ヒートシンクに関する記事はこちら
◎CPUクーラー
パソコン用の冷却システムで、ヒートシンク+冷却ファン、あるいはヒートパイプ+ラジエーターなどの組み合わせで構成されています。
◎ラジエーター
主に液冷システムで使われます。自動車のエンジンや機械から発生する熱を、循環する冷却液が受け取り、その熱を空気中に放出して冷却します。冷却液が通るチューブ、放熱フィンなどで構成されています。
◎冷却プレート
主にペルチェ素子の半導体冷却方式を利用した冷却技術です。この素子に電流を流すと、片面が冷却され、もう片面が発熱するというペルチェ効果を利用しています。放熱フィンやファンと組み合わせることで、さらに冷却効率を高めます。
◎ヒートパイプ
中に作動液を封入した金属製のパイプで、熱の移動効率を上げる技術・仕組みの一つです。液体が気体になる際に熱を吸収し、気体が液体になる際に熱を放出する「潜熱」を利用して、熱を効率的に移動させる部品です。ヒートシンクや放熱フィンなどの冷却部品と組み合わせて使用します。
◎放熱フィン
ヒートシンクなどの一部にも使われることがある突起状の構造。一般的に放熱フィンとヒートシンクはほぼ同義となっています。電子部品から発生する熱を逃がす部品で、表面積を増やすことで放熱効率を高めています。
◎冷却ファン
送風機の一種で、機器内部の熱を外部に排出したり、冷たい空気を取り入れることで、装置の温度を下げる役割を持っています。熱交換器の働きを助ける補助装置です。
熱交換を行うための「熱交換器」の中に、ヒートシンクやCPUクーラー、ラジエーター、冷却プレートなどが含まれ、それらの放熱性能・効率性を向上する仕組みとして、ヒートパイプや放熱フィン、冷却ファンなどが機能しています。
なぜ熱交換が必要なのか
熱交換とは、異なる温度をもつ流体や固体の間で熱を移動させる仕組みです。
様々な分野において、例えば、下記のような役割を担っています。
◎産業分野での役割
・製造プロセスの安定化
化学プラントや食品加工では、反応や保存に適切な温度管理が必要です。過熱や冷却不足は品質低下や事故につながります。
・エネルギー効率の向上
発電所や工場では、排熱を回収して再利用することで燃料消費を削減できます。
・設備の長寿命化
機械や電子制御装置は発熱するため、効率的な冷却によって劣化や故障を防止します。
◎家電・民生品での役割
・快適性の提供
エアコンや冷蔵庫は、室内や食品の温度を調整するために熱交換を利用しています。生活の快適さを支える根幹です。
・省エネと静音化
最新の家電では小型高効率の熱交換器を搭載し、消費電力や騒音を低減しています。
・安全性の確保
電子レンジやパソコン、EV用バッテリーなどは発熱が避けられず、冷却が不十分だと火災や故障につながるため、熱交換は不可欠です。
熱交換システムを考える上で重要なポイント
熱交換システムは「単なる温度調整機構」ではなく、効率・安全・コスト・環境負荷を総合的に考える必要があります。
◎熱効率の最大化
・伝熱面積の確保:流路の工夫やフィンを使用し、放熱性を向上。
・流体の性質を活用:水や冷媒、空気など、熱伝導率・比熱・粘度に応じて流速や流路を最適化。
◎安全性と信頼性
・過熱防止:冷却不足は装置の故障や事故につながるため、センサーと制御系を組み合わせる。
・耐圧・耐熱設計:圧力や温度変動に耐えられる材料・構造を選ぶ。
・リーク防止:冷却液の水漏れを防ぐため、気密性の高い接合やシールの設計が重要。
◎環境・エネルギーへの配慮
・省エネルギー化:効率の良い熱交換で消費電力を減らし、CO2削減に貢献。
・再利用:工場排熱を地域暖房や温水供給に活用するなど、廃熱リサイクルの仕組みを導入。
・冷媒の選定:環境規制に対応した冷媒を採用。
◎メンテナンス性
・メンテナンスの容易さ:フィルター交換や内部洗浄がしやすい構造が望ましい。
・耐久性:腐食・スケール・汚れに強い材料やコーティングの活用。
このように熱交換をとおした熱対策は、産業では生産効率や安全性を守るため、家電では快適で省エネな生活を実現するためにも、欠かせない技術です。
熱交換における接合技術の役割
熱交換システムを設計する際には、上記のように、熱効率(性能)、安全性(信頼性)、環境負荷(省エネ・排熱利用)、メンテナンス性を総合的に考慮することが重要です。
今後は、省エネ性能の向上、再生可能エネルギーとの組み合わせによって、より持続可能な熱交換システムが求められていくでしょう。
また、水冷式を採用した冷却性能のさらなる向上、樹脂や複合材料を取り入れた小型化・軽量化といった機能性もより改善されていくかもしれません。
そのような熱交換システムの開発においても、検討される技術のひとつが接合技術です。
ヒートシンクと絶縁部品との接合やファンとの接合、冷却プレートにおける複合化、冷却液のリークを防止するための封止など、様々な熱交換に関連する部品において、気密性・密着性・強度を確保する接合技術が必要となります。
熱交換システムにも金属・樹脂の直接接合技術「ALTIM®」が役立ちます!
熱交換システムや熱交換器にも、金属と樹脂が使用されています。
空冷式から水冷式まで、空気漏れ、水漏れを防止する複合化が可能です。
金属と樹脂を直接接合する技術のため、接着剤やネジなどの材料は不要。
シンプルでありながら、高強度・高気密な接合を実現します。
ALTIM®は独自のレーザー技術がポイントです。
独自のレーザー条件で金属表面に照射。樹脂との接合に適した凹凸形状を形成します。
凹凸形状は金属の種類ごとに異なります。
睦月電機では、国内外でこのレーザー技術の特許を取得。
接合する金属と樹脂部品を合わせ、金属側を加熱。その熱で樹脂表面だけを溶かして加圧することで、金属表面の凹凸形状に樹脂が染み渡るように流れ込みます。加圧したまま冷却すると、高強度、高気密な接合部品ができあがります。
熱交換器や冷却・放熱関連部品などにおいて、強度や耐久性、防水や気密性でお悩みをお持ちのお客様は、お気軽にご相談ください。
また、組み合わせたい金属と樹脂がございましたら、ぜひお問い合わせください。試験片作成も対応しております。